ロバート・レッドフォード監督、アメリカの映画である。
1956年、アメリカ中がテレビのクイズ番組に熱狂していた。
中でも、「21」は高額の賞金もあり、社会現象になるほどの人気だった。
連勝中のチャンピオン、ハーヴィー・ステンベルは、ユダヤ人だった。
彼は見た目が良くなかったので、視聴率が伸び悩んだ。
スポンサーである製薬会社社長マーティン・リッテンホームは、もっと見栄えのある人物を登場させろと、プロデューサーに指示した。
そんな折、コロンビア大学講師のチャールズ・ヴァン・ドーレンが、オーティションに訪れた。
彼は、キリスト教との白人男性で、見た目も良かった。
また、彼の父マークは著名な詩人でもあった。
プロデューサーのダン・エンライトは、彼を次のチャンピオンに仕立てることにした。
そこで、ハーヴィーに別の番組への出演をちらつかせ、八百長をして負けるよう示唆した。
彼の妻は猛反対したが、本番で彼はわざと間違え、チャールズが優勝した。
チャールズは、その後も勝ち続け、人気は不動のものとなった。
彼は裏で不正があることに気づいていたが、黙って乗ることにしていたのだ。
ハーヴィーは、不正を告発した。
この作品は、「テレビの8割は嘘」の真実を暴いたものだ。
重厚な映画である。
そういえば、日本のクイズ番組に出演した東大生が、台本通り「頭は良いが常識を知らない人間」を演じるのが辛かったと、どこかで呟いていた。
テレビの真実は、スポーツの結果くらいのものか。