小松菜奈主演、日本の映画である。
20歳の高林茉莉 ( たかばやしまつり ) は、数万人に一人という難病「肺動脈性肺高血圧症」で、入院した。
同じ病気で入院している礼子が、ハンディカムの映像を見ながら、茉莉に話している。
礼子は、息子の小学校入学式には出席できたのだった。
彼女は映像を記録したSDカードを抜き取り、ハンディカムを茉莉に手渡した。
「最後まで生きてね。」
礼子が亡くなり、茉莉は車椅子で葬儀に参列した。
その帰り、茉莉は舞い散る桜をハンディカムで撮影した。
2年後、茉莉は退院して自宅に戻った。
自室には、自分で病気のことを調べたノートが、そのまま置かれていた。
主治医の平田先生が言っていた「余命10年」を、改めて思い知らされた。
大学時代の友人たちが、退院のお祝いをしてくれた。
出版社に勤めている親友の藤崎沙苗は、茉莉が小説家を目指していることを知っていて、今も書いているのか尋ねた。
茉莉は、この2年間、書いていなかった。
次の春、中学校の同窓会のお知らせが来た。
高林一家は、今は東京に住んでいるが、当時は静岡県の三島に住んでいた。
茉莉は、父の車で三島に出かけた。
同窓会で、東京に住んでいる者が3人いることが分かり、連絡先を交換した。
一人は、元気のいい富田タケルで、同窓会を仕切っていた。
もう一人は真鍋和人で、大人しく、当時の茉莉の記憶になかった。
和人の父は会社を経営しているのだが、和人は跡を継がずに東京に出ていた。
東京に戻った茉莉は、就職の面接に出かけた。
厳しかった。
タケルから、和人が入院したとの連絡が入り、茉莉は病院に駆けつけた。
和人は、部屋の窓から飛び降りたのだった。
この作品は、小坂流加の小説「余命10年」を映画化しものである。
2時間の枠に収めるため、かなり端折っているし、異なる設定もある。
原作の方が、心に残る。