カナダのアニメーション映画である。
中東シリア、アレッポ。
6歳の女の子ドゥーニャは、幼い頃に母を亡くしたが、祖父母と父に守られて、すくすく育った。
ドゥーニャは、「世界」という意味だ。
楽天家の祖父は、毎日のように市場に出かけて遊んでいる。
祖母は、チーズやジャムを手作りして、昔ながらの生活を大切にしている。
父は、ドゥーニャに、いろいろなお話を聞かせた。
ある日、政治的な発言をした父が、官憲に連れて行かれた。
以来、ドゥーニャは父に会っていない。
戦争が始まった。
ドゥーニャの家も、爆弾で粉々になった。
ドゥーニャと祖父母は、近所の人たちと一緒に、ヨーロッパに逃れることにした。
トラックに乗るのに法外な金を要求されたが、隣のおばさんが宝石を手放して、運転手に渡してくれた。
一行は、トルコとの国境までトラックに乗せられて行く。
途中、弦楽器ウードを弾く青年が同乗した。
運転手は、国境付近でみんなを降ろして、行ってしまった。
検問所には銃を構えた官憲がいて、通してくれそうになかった。
シリア難民を描いたアニメである。
厳しいけれど、心が明るくなる作品だ。