桃井かおり主演、日本の映画である。
昭和56年7月、夜。
富山新港湾埠頭から、乗用車が海に転落した。
釣り客が大勢いて、車から脱出した女性が助けられた。
翌日、車が引き上げられ、中から男性の死体が見つかった。
男性は、白河酒造の社長、白川福太郎、女性は妻の球磨子だった。
状況からは、どちらが運転していたか分からなかった。
車内には、福太郎の左の靴とスパナが発見された。
球磨子は、福太郎の後妻である。
彼女は、暴行罪で3年間服役したのを含めて、前科が四つもあった。
さらに、福太郎には合計3億1000万円の保険がかけられていたことがわかり、球磨子による保険金狙いの殺人疑惑が持ち上がった。
マスコミは、球磨子を殺人犯として扱った。
新聞記者の秋谷茂一は、球磨子の元恋人・豊崎勝雄と接触を取り、彼をもてなすことで多くの情報を得た。
そして、球磨子の旧姓が鬼塚だったことから、「オニクマ」と揶揄した。
事件当日、たまたま公衆電話から目撃していた青年、藤原好郎の証言があり、球磨子は殺人の容疑で逮捕された。
白河酒造の専属弁護士が弁護を辞退したため、国選弁護人として佐藤律子が選出された。
この作品は、松本清張の小説を原作としている。
主演の桃井かおりと、佐藤律子役の岩下志麻の、バチバチのやりとりが面白い。