吉永小百合主演、日本の映画である。
兵庫県・湯村温泉で置き屋「はる家」を営む夢千代こと永井佐千子は、神戸の病院で白血病と診断され、余命半年を宣告された。
夢千代は原爆の被爆者で、ついに、恐れていたことが起きたのだった。
帰りの列車が鉄橋に差し掛かった時、彼女は窓の外に、手を合わせて落ちていく女性を見た。
後ろの席に座っていた旅芸人一座の宗方勝も、それを目撃していた。
夢千代が車掌を呼びに行っている間に、宗方は姿を消した。
警察が捜査したところ、河原で女性の死体が見つかった。
彼女は孕っていて、相手の男性・石田が殺人容疑で逮捕された。
夢千夜は、手を合わせていたのだから自殺だと信じていた。
石田の嫌疑を晴らすために、もう一人の目撃者である宗方を訪ねた。
宗方は、温泉劇場の舞台に出ていた。
彼は、見ていないと言い、夢千代を避けた。
担当の藤森刑事が、石田が殺害を自供したと言ってきた。
夢千夜は、もう一度、宗方を訪ねて行った。
ところが熱を出して倒れてしまった。
宗方は、夢千代を背負って、はる家に連れ帰った。
この作品は、吉永小百合の儚い美しさが際立っている。
主人公だけでなく周囲の人々が、それぞれ重い事情を抱えていて、暗い映画だ。