上野樹里主演、日本の映画である。
稲田誠一郎は、和歌山県の田舎町で電気屋「イナデン」を営んでいる。
製品を売ることより、アフターサービスに熱心だ。
彼は、家族よりもお客さんを大事にしていた。
それが、三姉妹の次女・怜には不満だった。
母が癌で亡くなってからも、父は相変わらず家族よりも修理依頼を優先していた。
イラストレーターになりたい怜は、高校を出てから東京の専門学校へ行き、そのまま東京で就職した。
ところが、チラシのデザインで上司と衝突して、会社を辞めてしまった。
なかなか再就職が決まらないある日、実家にいる妹・香から手紙が来た。
妊娠中の姉・瞳が入院して、1ヶ月は絶対安静だと書いてある。
そして、電車の切符が同封されていた。
怜は、急いで帰省して病院に行くと、入院したのは父だった。
父は、アンテナを設置中に屋根から落ちて骨折したのだ。
懇意にしているお客さんのおかげで、父は、携帯電話が使える個室にいた。
そして、注文を受けていた。
父が入院している間、怜はイナデンを手伝うことになった。
店は、近所のお年寄りたちの溜まり場になっていて、騒がしい。
中学の同級生・鈴木裕也が、配達や修理の手伝いに来ていた。
彼は、怜のファーストキスを奪った相手だ。
あの時、怜は裕也にグーパンチを喰らわして、彼の鼻を折ったのだった。
店にかかってきた電話を取ると、マッサージチェアを移動して欲しいという依頼だった。
怜は、そっけなく断った。
そのことで怜は、父に、こっ酷く叱られた。
ほっこりさせられる作品である。
父・誠一郎役は沢田研二だ。
頑固親父役が、よく似合っている。