カリフォルニアに住むフリーライターのフィリップ・グリーンは、妻を亡くした。
彼は、幼い息子と心臓の悪い母を連れて、ニューヨークに引っ越した。
有名雑誌編集長ミニフィーに招かれたのだった。
ミニフィーは彼に、アメリカで蔓延っているユダヤ人差別についての記事を書く様に勧めた。
それはミニフィーの姪、キャシーの発案だった。
フィリップは、何度もキャシーと会っているうちに、惹かれる様になった。
二人は、付き合いはじめた。
記事は、いざ書き始めてみると、差別意識のない彼には難しかった。
そこでフィリップは、ユダヤ人のふりをすることにした。
彼がグリーンバーグと名乗ると、途端に相手の顔が変わった。
眉を顰め、彼を避ける様になったのだ。
編集部の者たちも、彼がユダヤ人だと噂を広めた。
母の担当医も、ユダヤ人だと聞いて態度を変え、息子のトミーは、学校でいじめられるようになった。
キャシーですら、彼に本当にユダヤ人かと問いただす始末だ。
それで二人の関係は、ギクシャクし始めた。
贖罪の様な作品だ。
しかし、白人による人種差別は、今でも根強く残っている。