半年後の再会を約束し、ウィーンの駅のホームで別れて9年が経った。
アメリカ人の青年ジェシー・ウォレスは、あの日のことを描いた小説「This Time」で、作家になっていた。
ジェシーは、小説のプロモーションのために、パリの有名書店を訪れた。
彼は、インタビューを受けている時、壁に寄り掛かって微笑んでいる女性に気づいた。
再会を約束したまま果たせなかったセリーヌだ。
彼女は、彼が来ることを知って会いに来たのだった。
ジェシーは、彼女に声をかけた。
しかし、ニューヨークへ帰る飛行機の時間が迫っている。
残された時間は85分しかなかった。
少しでも一緒にいたいジェシーは、セリーヌと一緒に街に繰り出した。
セリーヌは彼に、あれから半年後にウィーンに来たのか尋ねた。
セリーヌは、ちょうど祖母の葬儀が重なってしまって、約束を果たせなかった。
ジェシーは約束通りウィーンに行ったが、待ちぼうけになり、振られたと思い込んだのだった。
その後ジェシーは結婚して4歳の子供がいるが、夫婦仲は良くないことを話した。
セリーヌは、現在、報道写真家の恋人がいるが、しっくり行っておらず、ジェシーへの想いがあることを仄めかせた。
この作品は、「恋人までの距離」の続編である。
前作と同様に、会話主体でストーリーが進んでいく。
いい作品だ。