佐藤浩市主演、日本の映画である。
昭和63年。
鷲田完治は、旭川地方裁判所の判事をしていた。
ある日、覚せい剤取締法違反の裁判で、元恋人の結城冴子と再会した。
昭和53年。
大学時代、司法試験の勉強に集中する鷲田を、冴子は学生運動をしながらも支えていた。
鷲田が司法試験に合格すると、冴子は「闘え 鷲田完治」のメッセージを添えたモンブランの万年筆を残して、姿を消した。
昭和63年。
再会した二人は、逢瀬を重ねた。
鷲田は結婚して4歳になる息子がいるが、妻子を東京に残して単身赴任していた。
旭川に来て2年が経ち、鷲田は東京に戻ることになった。
彼は、裁判官の仕事も妻子も捨てて、冴子と暮らすつもりだった。
そして旅立ちの日、鷲田の目の前で、冴子は列車に飛び込んで命を絶った。
ショックを受けた鷲田は、別の路線に乗って、終着駅の釧路にたどり着いた。
平成26年。
鷲田は釧路の小さな町で、法律事務所を開いていて、国選弁護だけを引き受けていた。
小さな平家のアパートで、質素に暮らしている。
鷲田は、覚醒剤を所持して逮捕起訴された若い女性、椎名敦子の弁護をした。
結果は、執行猶予付きの有罪判決だった。
翌日、敦子が鷲田を訪ねてきた。
人を探して欲しいという。
しかし、国選しか引き受けないと決めている鷲田は、断った。
しんみりする作品だ。
椎名敦子役は、本田翼である。