captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

わが谷は緑なりき

ジョン・フォード監督、アメリカの映画である。

 

イギリス、ウェールズ地方。

 

初老の男性ヒュー・モーガンは、生まれ育ったロンダの谷を去ろうとしていた。

 

ヒューは、楽しかった子供の頃を思い返した。

 

50年ほど前、19世紀末の話。

 

ヒューは10歳だった。

 

父ギルムと、歳の離れた5人の兄は、炭坑夫として働いていた。

 

仕事から帰ると、彼らは母ベスのエプロンの上に賃金を置き、姉アンハードが沸かした湯で体を洗う。

 

そして、みんなで夕食を取る。

 

その後、父が息子たちに小遣いを配る。

 

これが、平和なモーガン家の日課だった。

 

長兄イヴォールが、優しくて美しい女性ブローウィンを家に連れてきた。

 

幼いヒューは、彼女に恋心を抱いた。

 

イヴォールとブローウィンは、若いグリュフォード牧師の取り持ちで結婚した。

 

この時、出逢ったアンハードとグリュフォードは、互いに惹かれ合うようになった。

 

ある日、炭鉱主が賃金の引き下げを発表した。

 

ギルムらベテランは、石炭価格の下落が原因だと考えていた。

 

しかし実際は、鉄工所が閉鎖され失業者が出たため、安く雇える人間が増えたのだった。

 

それを知った次兄イアントたちは組合を結成すべきと主張したが、父ギルムは反対した。

 

やがて、そんな父についていけなくなった息子たちは、家を出た。

 

組合を結成したイアントたちは、ストライキを決行した。

 

ストライキは長引き、反対していたギルムは炭鉱主側だと決めつけられ、嫌がらせを受けるようになった。

 

冬。

 

吹雪の中、炭坑夫たちの野外集会に乗り込んだベスは、「ギルムに手を出したら殺してやる」と、みんなをやり込めた。

 

その帰り、ベスは足を滑らせて川に落ちた。

 

ヒューが助けを呼んだおかげでベスは助かったが、ヒューも川に転落し、足に重度の凍傷を負ってしまった。

 

 

心に染み入る作品である。