日本のアニメーション映画である。
15年前、アメリカ・ボストン。
後ろ手に縛られた男が、人混みをかき分けて逃走している。
男は駅のホームに辿り着き、電車に乗り込んだ時に、後ろから撃たれて死亡した。
背後でアジア系の男が、男を見下ろしていた。
現代、東京。
東京と名古屋を25分で結ぶ「真空超電導リニア」の完成パーティーが、開催された。
リニアは、4年に一度開かれる国際スポーツイベント「ワールド・スポーツ・ゲームス ( WSG ) 」の、東京大会開催に合わせて開通する。
WSG東京のスポンサーである鈴木財閥の会長・鈴木史郎の娘、園子のコネで、コナンたち少年探偵団のみんなも、パーティーに参加していた。
カートで食事が運ばれてきた。
その時、突然、照明が消えた。
青白い閃光を見たコナンは、その方へ向かおうとしたが、手を掴まれた。
コナンを心配した蘭の手だった。
灯が点くと、鈴木史郎の姿がなかった。
園子が旧知のジョン・ボイドに尋ねると、彼は血相を変えて走り去った。
警察が呼ばれ、史郎の捜索が始まった。
目暮警部が、コナンが見たという青い光はスタンガンだと判断した。
食事運搬のカートが一つ消えていたことから、気絶させられた史郎が、カートで運び出されたと推測された。
コナンたち少年探偵団は、元太の鼻を頼りにして匂いを追跡し、厨房で縛られている史郎を発見した。
史郎に怪我はなかったが、犯人の姿を見ておらず、手がかりもなかった。
この事件の少し前、同じWSG東京のスポンサーである三塚製菓の社長が、同じような目に遭っていた。
その頃FBIは、15年前に起きたWSG連続拉致事件と同じものが、東京で起きているのだと考えていた。
そうすると、3人目が殺害されることになる。
この作品は、「劇場版名探偵コナン」シリーズ第24作である。
ネタバレすると申し訳ないので、冒頭だけの紹介にとどめることにした。
脚本がとてもよく練られていて、最後まで楽しめる。
推理よりも「人間ドラマ」と言えるかもしれない。
秀作である。