風間杜夫主演、日本の映画である。
原田英雄は、40歳のシナリオライターだ。
テレビ局の間宮一郎とは、気が合い、仕事が楽しい。
英雄は妻と息子がいたが、今は離婚して、マンションの六階で一人暮らしだ。
ある日、間宮から、別れた妻・綾子と付き合いたいと言われた。
間宮は思い詰めたように話したのだが、英雄はあっさり認めた。
間宮が帰ると、若い女性が訪ねてきた。
三階に住んでいると言う彼女は、酔っていて、飲みかけのシャンパンを持っていた。
英雄は、一緒に飲みたいと言う彼女の申し出を丁重に断って、追い払った。
テレビのロケ現場の下見に出かけた英雄は、地下鉄の線路でスタッフとはぐれた。
一人で外に出た彼は、気晴らしのために浅草に向かった。
浅草は、彼の生まれ育ったところだ。
彼は、寄席に立ち寄った。
舞台に向かって声をかけている男がいた。
懐かしさを覚えた英雄は、そばに寄って男の顔を見ると、若い頃の父親だった。
演目が終わると、父は英雄を外に呼び出した。
そして、家に連れていった。
家には、母がいた。
英雄の両親は、彼が12歳の時に事故で亡くなっていた。
二人は暖かく英雄を迎え、もてなした。
翌朝、元妻から英雄の荷物が送られてきた。
中には両親の位牌と写真も入っていた。
その夜、先日やってきた三階に住んでいると言う女性から電話があった。
機嫌の良かった英雄は、一緒に飲みましょうと、彼女を部屋に誘った。
彼女は藤野桂という名で、ケイと呼んでほしいと言う。
酔った二人は、ベッドをともにした。
翌日、英雄は両親を訪ねた。
母が一人でいて、アイスクリームを作っていた。
寿司職人である父は、今日は早出の仕事ということで不在だった。
この作品は、ファンタジックなホラーである。
風間杜夫の演技が素晴らしく、どんどん引き込まれていく。
父親役の片岡鶴太郎も、とてもいい雰囲気だ。
洋画のホラーみたいなラスト以外は、とてもいい作品である。