木村拓哉主演、日本の映画である。
東京都内で、3件の連続殺人事件があった。
被害者は互いに無関係だったが、現場に、次の殺人を予告する共通の暗号が残されていたため、同一犯人の仕業と目された。
3件目の現場に残された暗号を解読した結果から、次は高級ホテル「ホテル コルテシア東京」で事件が起きると推測された。
警察は、潜入捜査をすることにした。
刑事が、ホテルマンに扮して、それぞれの持ち場に着いた。
新田浩介刑事は、英語が堪能だったので、フロントに入ることになった。
ホテルの山岸尚美が、新田の教育係に指名された。
山岸は、まず、新田の容姿にダメ出しして、ホテルマンに相応しい様、散髪させた。
無愛想で短気な新田だが、犯人逮捕のために、しぶしぶ山岸に従った。
宿泊客の大野が、急いでいるから先にチェックアウトさせろと言い出した。
新田が、順番を待てとたしなめたために、大野は激昂した。
そこに山岸が割って入って、その場を収めた。
山岸は新田に、「お客様がルール」だと忠告した。
ホテルが要注意人物としていた宿泊客の古橋が、部屋を出た。
彼は以前、一着2万円のバスローブを盗んだことがあった。
チェックアウトする彼をフロント係が足止めしている間、客室係が部屋をチェックすると、バスローブは無かった。
そこで、山岸が丁寧な言葉で荷物のチェックを申し出た。
そこに新田が来て、古橋に謝罪し、そのまま帰した。
新田の指示でベッドの下を探ると、バスローブが隠してあった。
言いがかりをつけさせて金を要求する手口だったのだ。
新田の刑事としての勘が、当たった。
片桐遥子という、視覚障害のある老婆がチェックインした。
山岸は丁寧な接客で、彼女を部屋に案内した。
新田は、片桐の様子から、視覚障害は嘘だと見破っていた。
翌日、片桐は丁重に礼を言って去っていった。
この作品は、ミステリーである。
このように「小ネタ」が続く。
真犯人を早いうちに登場させ、観客を別の方向にリードして、最後にあっと言わせるのがミステリー作品というものの面白さなのだが、うまくいっていない。
小ネタの一つ一つが完了してしまっていて、唯一、完了しなかったものが犯人だった。
なんだ、こりゃ。
というのが正直な感想だ。