ドイツの映画である。
8歳の少女ララは、両親が聾者だ。
手話を覚えたララは、両親の通訳をしている。
電話にも出るし、銀行との交渉も通訳する。
成績はイマイチだが、頭の回転は早い。
学校の先生との面談で、都合の悪いことは言い換えて通訳した。
また、母が映画を見ている時は手話で通訳するので、ララは、ちっとも楽しめない。
それでも、明るく元気だ。
ある日、ララは父の妹クラリッサから、クラリネットをもらった。
吹いてみて、大感激した。
しかし、この気持ちは、手話で表現しきれなかった。
父は、ララが音楽をするのに大反対だ。
彼が幼い頃、クラリネットが上手な妹を、両親がよく褒めていた。
聞こえない彼には、何がいいのかわからない。
家族は手話を覚えてくれず、彼は辛い幼少時代を過ごした。
だから彼は、音楽が嫌いだった。
父親の反対を尻目に、ララは叔母に懐き、クラリネットにのめり込んでいった。
母は、そんなララを優しく見守った。
ララに、妹ができた。
妹は、マリーと名付けられた。
10年後。
ララは、叔母の家で暮らし、音楽学校の受験を目指していた。
叔母夫婦は仲が悪くて、ララは居心地が悪かったが、手話を教える青年トムと知り合い、胸がときめいた。
そんなある日、母が、交通事故で亡くなった。
この作品は、ララの成長物語だ。
8歳のララは、活発で優しい少女の典型的な役柄なのだが、違和感なく応援できる。
ラストシーンが、とてもいい。