埼玉県で生まれ育った菅原愛海は、東京で暮らすのが夢だった。
念願叶った愛海は、恋人と結婚して東京で暮らす予定だ。
今日は、結納の日である。
愛海は、両親とともに父の車で東京に向かっている。
ラジオから、都市伝説のようなものが聞こえてきた。
19X X年。
埼玉県民は、東京都民から蔑まれていた。
埼玉県民が東京都に入るには、通行手形が必要だった。
不法に侵入すると、SAT ( 埼玉急襲部隊 ) に逮捕され、強制送還される。
東京の名門高校、白鵬学院。
生徒会長は、都知事の息子、壇ノ浦百美だ。
ある日、アメリカ帰りの男子学生、麻実麗が転校してきた。
百美は麗を連れて、学校内を案内した。
そこで一悶着あって、百美は、麗を追い出すよう父に頼んだ。
ところが、麗の父は10億円の寄付をしていて、いずれ百美が都知事になるときに後ろ盾になるかもしれない、と断られた。
百美は、「東京テイスティング」でも麗に敗れ、気を失う。
麗は、百美を医務室に運び、気がついた百美にキスをした。
男同士なのだが、百美はときめいた。
百美は、父に麗を紹介し、デパートの買い物に誘った。
その前に寄った遊園地で、埼玉狩りにあう。
麗の家政婦が捕まり、それを助けようとした麗も拘束された。
彼は、草加せんべいが踏めず、埼玉県民であることがバレた。
そして、逃走した。
百美は、麗についていく。
この作品では、埼玉県を中心に、関東ローカルなアイテムや地名が連発で、別の地域に住んでいる人には、ピンと来ない部分もあるだろう。
しかし、知っている人は、ツボにハマる。
くだらない話題のオンパレードだが、徹底していて、清々しい。
埼玉を徹底的に腐しているが、それは埼玉愛の裏返しだ。
感動はないが。