日本の映画である。
黒板五郎、純、蛍が富良野に引っ越してから、5年。
純は中学3年生、蛍は中学1年生になった。
近頃、純は機械を見ると、分解したくて仕方がない。
その日は、学校の時計を分解して元に戻せず、電気屋のシンジュクさんに叱られた。
その頃、五郎は純の先生に会い、悩みを相談していた。
父は、純に避けられていると思っている。
純は、学校からの帰り道、草むらに捨てられている、鍋をくっつけた変な物を見つけた。
触っていると、同い年くらいの女の子が話しかけてきた。
少女は、大里れいと名乗り、その変な物は、彼女の父が作りかけた風力発電機だと言う。
恥ずかしくて何も言えない純は、駆けだしてしまった。
純の初恋だ。
風力発電には、プロペラよりも鍋を使った方が、風を受ける効率がいい。
純は設計図を書いて、シンジュクさんに見てもらった。
帰りのバスの中から、自転車のチェーンが外れて困っているれいを見つけ、バスを降りて声をかけた。
純はチェーンを直してやり、二人で歩いていると、急に雨が降ってきた。
二人は、れいの父親が所有している納屋に避難した。
れいはストーブを点けると、純に服を脱いでと言う。
れいも下着になって、二人で服を乾かした。
進路の話になり、れいは東京へ行きたいと話した。
それで純も、東京へ行き定時制高校に通うことを考え始めた。
進路について純は、このところ叱ってくれない父に遠慮して、なかなか、話すことができなかった。
父は息子を大切に思い、息子は父を敬愛している。
心に沁みる作品だ。