captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

生きる

志村喬主演、日本の映画である。

 

主人公・渡辺勘治は、市役所の市民課長だ。

 

30年間、欠勤することなく役所仕事を続けてきた彼は、仕事に対する情熱が無く、ハンコを押すだけの毎日だ。

 

職員もなるべく仕事をしないで1日を過ごすために、住民の陳情は受けるが、陳情はたらい回しなにって、叶えられることはなかった。

 

ある日、胃の不調を感じた勘治は、病院を訪れた。

 

待合室で、「胃が悪いんですか」と男が彼に話しかけてきた。

 

男は、胃癌の症状について語り出し、また、胃癌だった時、医者は胃潰瘍と言って誤魔化すことなどを話した。

 

症状がぴったりあっていた勘治は、自分は胃癌なのではないかと疑った。

 

診察の後医者は、彼に胃潰瘍だと告げた。

 

その後の話も、男が語っていたことと全く同じで、勘治は、自分が胃癌であることを確信した。

 

当時、胃癌は不治の病であり、胃癌であることは死を意味した。

 

勘治は、自分の人生を振り返った。

 

妻を早くに亡くし、男で一つで息子の光雄を育ててきた。

 

光雄は一枝という女性と結婚し、勘治と同居している。

 

光雄夫婦は勘治の退職金で家を建てて、別居したいと話していた。

 

それを聞いた勘治は、がっかりした。

 

翌日、役所を無断欠勤した勘治は、貯金5万円をおろして遊びに出かけた。

 

しかし、一度も遊んだことがない彼は、遊び方がわからなかった。

 

一人、飲み屋で酒を飲んでいると、小説家の男が話しかけてきた。

 

彼は勘治を遊びに連れ出した。

 

パチンコやダンスなど、一通り遊んだけれど、彼には虚しさだけが残った。

 

夜が明けて、一人とぼとぼと帰宅の途についていると、市民課の部下である小田切とよが話しかけてきた。

 

彼女は、お役所仕事に嫌気がさして玩具工場に転職しようとしていた。

 

それで上司である勘治に、退職届にハンコを押してくれるよう頼んだ。

 

その後、勘治は何回もとよと会って、食事や会話をするようになった。

 

 

黒澤明監督の作品である。

 

今の時代、この流れは退屈すぎる。