フランス、カナダ、アメリカ合作の映画である。
高校生のルビー・ロッシは、朝3時に起きて家族の漁を手伝っている。
彼女以外の家族、父フランク、母ジャッキー、兄レオは、皆、聾唖者だ。
ルビーは彼らの手話通訳もしている。
高校生のルビーは、選択授業に合唱を選んだ。
気になる男の子マイルズが、それを選択したからだ。
初日、顧問のベルナルト・ヴィラボス先生、通称V先生は、合唱のパートを決めるために、一人ずつ歌わせた。
ルビーは、歌うのは好きなのだが、人前で歌ったことがなかった。
自分の番になった時、怖くて逃げ出してしまった。
翌日、ルビーは授業の前にV先生を訪ね、歌うのが怖い理由を話した。
彼女は、小学校に入った時、みんなに発音を馬鹿にされたのだった。
聾唖者の家族の中で育ったことを、先生は見抜いた。
授業で、先生は彼女の歌のうまさを引き出した。
そして、ルビーとマイルズに、秋のコンサートでデュエットするよう指示した。
彼女は嬉しさを噛み締めていたが、マイルズはさっさと帰っていった。
先生は彼女の才能を認め、バークリー音楽大学への進学を勧めた。
奨学金を得れば、お金の心配はいらない。
個人レッスンをしてやると、先生は言ってくれた。
一方、漁港に政府が介入して、家の収入は減るばかりだった。
心にじわっと染み込んでくる、独特の雰囲気のある作品だ。