日本の映画である。
15年前。
雨の夜。
タクシー会社を営む稲村家の子供たち3人が、家にいた。
3人とも、父親からの暴力で傷だらけだ。
運転手をしている母・こはるが帰ってきた。
母は、タクシーで夫を轢いたところだった。
「今、父ちゃんを殺してきた。あななたたちは、もう痛い目に遭うことはない。好きなものになれる。」
「刑期を終えて、ほとぼりが覚めたら帰ってくる。」
と言い残して、母は警察に出頭した。
それから15年。
長男の大樹は電器店に勤めていて、結婚して一児の父親だが、妻子とは別居している。
次男の雄二は、東京で風俗雑誌の記者をしている。
末っ子の園子は、美容師の夢を諦めてスナックで働いている。
タクシー会社はこはるの甥・丸井進が引き継いで「稲丸タクシー」として、経営を続けていた。
ある日、突然、こはるが帰ってきた。
園子と、社員たちは暖かく彼女を迎えたのだが、大樹と雄二は、そうではなかった。
この作品は、重い。
自分たちのために罪を犯して服役した母に対して、様々な思いが錯綜する。