ベトナム、フランス合作の映画である。
1951年、サイゴン。
3年前に父を亡くした少女ムイは、母や妹たちを置いて奉公に出た。
散々迷った挙句、夜更けに奉公先に着いたムイは、「母親」と奉公人ティーに迎え入れられた。
ムイは、幼くして亡くなった娘トーに似ている。
母親は、「父親」に報告に行くが、彼はあまり興味を示さなかった。
翌朝、目覚めたムイは、庭に立っているパパイヤの木を眺めた。
ムイは、朝食の準備を手伝った。
そして、祭壇に少女の写真が飾られているのを見た。
ある日、長男チュンの友人クェンが遊びに来た。
ムイは、クェンが好きになった。
まだ幼い三男ティンは、何かとムイに嫌がらせをする。
ある日の夜、ムイは奉公人ティーから、トーが亡くなった経緯を聞いた。
トーは、遊び人の父親が家出している間に病気になり、父親が戻ってきた翌日に亡くなったのだった。
それ以来、父親は家出するのをやめていた。
しかし、その夜、父親は宝石を持ち出して、家出した。
物語は淡々と続く。
健気な子供が主人公の映画は成功しやすいが、これにも当てはまる。
スリルもサスペンスもないけれど、引き込まれてしまう。
映像は、とても美しい。