カメラのファインダーが、尾道の風景を捕らえている。
僧侶がスクーターから降りた。
主人公・井上ヒロキの父親だ。
続いて、ヒロキの実家である寺で、母親が忙しくしている。
カメラの向きが変わり、近くの女子高が映る。
放課後の音楽室で、ピアノに向かう生徒・橘百合子を映し出した。
ヒロキの憧れであり、彼は「さびしんぼう」 と名付けた。
年末が近づき、寺の大掃除が始まった。
ヒロキは、同級生のマコトとカズオに、手伝わせた。
その時、母のアルバムの写真を風で飛ばしてしまう。
数日後、学校からの帰り、ヒロキはさびしんぼうと名付けた憧れの彼女と擦れ違った。
会釈してもらったのが、嬉しくて堪らない。
家に帰って、部屋でニヤニヤしながらファィンダーを除くと、白塗りの顔 ( キョンシーみたいなメイク ) をした女の子が現われた。
彼女は、「さびしんぼう」 と名乗る。
公開当時は、話題になった記憶がある。
今観ると、随分、退屈な作品だ。
事件もイベントもない。
日中のシーンの殆どがセピア色で、観づらい。
「転校生」と「時をかける少女」 は、面白かったのに。
しかし、理屈好きな人には、受けるのだろう。