ギリシャ、フランス、イタリア合作の映画である。
アテネに住む12歳の少女ヴーラと5歳の弟アレクサンドロスは、父親の顔も名前も知らずに育った。
母が、父はドイツにいるというので、二人は毎晩アテネ駅に行くが、列車に乗る勇気はなかった。
ある冬の日、二人は思い切って列車に飛び乗った。
切符も持たずに乗ったため、二人はデッキで身を寄せ合って眠った。
車掌が二人を見つけて、途中の駅で降ろした。
二人が伯父に会いに行くところだと駅長に言ったので、警官に引き渡された。
警官は二人を、伯父が勤めている工場に連れて行った。
伯父は、「二人は私生児であり、父親はいない」と警官に告げた。
それを聞いてしまったヴーラは、傷ついた。
その後、二人は警察署に連れて行かれたが、逃げ出して旅を続けた。
山道を歩いていると、バスが通りかかった。
それは旅芸人の一座が乗っているもので、二人はそれに乗せてもらった。
この作品は、全体に陰鬱で、重苦しい。
二人の子供にとっては、あまりにも過酷な旅だ。