フランスの映画である。
1936年、モスクワ。
ボリショイ劇場で、プリマドンナを選ぶ最終審査が行われていた。
課題曲は、「ラブェルのボレロ」。
タチアナは落選したが、審査員のボリス・イトビッチに気に入られ、やがて二人は結婚した。
1937年、パリ。
人気のリド「フォリー・ベルジュール」で出会ったユダヤ人ピアニスト、シモン・メイヤーとバイオリニストのアンヌは、互いに惹かれ合い、結婚した。
1938年、ベルリン。
ピアニストのカール・クレーマーは、ヒトラーの前で演奏を披露し、彼に褒められた。
当時、ヒトラーに褒められることは、最高の栄誉だった。
1939年、ニューヨーク。
ジャック・グレンが率いる楽団が、豪華客船で演奏していた。
その時、ドイツがポーランドに侵攻し、フランスとイギリスがドイツに宣戦布告したとのニュースが流れた。
ドイツ軍楽隊長に指名されたカールは、1941年の新年を、占領したパリで迎えた。
彼は、妻子を残して出征していたのだが、パリで出会ったシャンソン歌手エヴリーヌと関係を持った。
1941年、モスクワ。
ボリスは兵役についていた。
1942年。
ユダヤ人であるシモンと妻のアンヌ、そして二人の赤ちゃんが、強制収容所に連行された。
途中の停車駅で、二人は赤ちゃんを、そっと線路に置いた。
若者がその赤ちゃんを拾い、添えてあった現金と指輪を取った。
そして赤ちゃんを、教会の前に置いて立ち去った。
赤ちゃんは、司祭に育てられた。
タチアナは、兵役に就く人たちをバレエで励ます日々を送っていた。
夫のボリスが、戦死した。
ジャックは、軍楽隊長として戦地に赴いた。
シモンがガス室に送られた。
この作品は、3時間に及ぶ大作である。
音楽とダンスが、素晴らしい。
ラストは、圧巻だ。