アメリカの映画である。
19世紀の英国、ヨークシャー。
「嵐が丘」と呼ばれる古い館が、荒野に建っていた。
ある雪の夜、ロックウッドという男が道に迷い、嵐が丘を訪ねてきた。
館にはヒースグリフと妻イザベラが、使用人たちと暮らしていた。
みんな陰気で、雰囲気は暗い。
ロックウッドは泊めてもらえることになり、部屋に案内された。
彼が寝ていると、外から女性の声が聞こえてきた。
ロックウッドは、恐怖のあまり大声を出した。
それを聞きつけてヒースグリフが部屋に飛び込んできた。
女は自分がキャッシーだと名乗ったと聞き、取り乱したヒースグリフは、飛び出していった。
古くからの使用人エレンが、語り始めた。
聞こえてきた声の主は、ヒースグリフの恋人だったキャサリン ( キャッシー ) だった。
40年前、館の主人アーンショーは、仕事先のリバプールで孤児の男の子を拾って帰ってきた。
彼は孤児をヒースグリフと名づけ、育てた。
アーンショーには、息子と娘がいた。
同じ年頃のキャッシーは、ヒースグリフと仲良く遊んだ。
しかし、兄のヒンドリーは、彼を憎んだ。
やがて父が亡くなり、跡を継いだヒンドリーは、ヒースグリフを馬丁としてこき使った。
成長したキャッシーとヒースグリフは、愛し合っていた。
ヒースグリフはキャッシーに駆け落ちしようと誘うが、彼女には貧しい生活など耐えられない。
ある日、二人はリントン邸の舞踏会を覗きにいった。
その時、キャッシーは番犬に足を噛まれてしまった。
この騒動で、身分の低いヒースグリフは村から追い出されてしまった。
やがてキャッシーは、リントン邸の主人エドガーから、プロポーズされた。
モノクロの作品ゆえか、人々の心の暗さが、よく浮き上がっている。
「愛か金か」は、女性にとっての永遠のテーマなのだろうか。