小雪主演、日本の映画である。
兵庫県神戸市に暮らす福島一家は、5人家族だ。
父正美は教師、母令子は専業主婦、そして3人の男の子がいる。
初詣の帰り、正美は末っ子の智の目が、少しおかしいのではないかと感じた。
智を医者に連れて行くと、すぐに県立病院を紹介された。
智は右目を手術したが、視力は回復しなかった。
9歳の時には、左目も失明して全盲となった。
聡明で天真爛漫な智は、すくすく育ち、東京の盲学校に進学した。
寮で洗濯機の使い方についての令子と智のやりとりが、漫才のようで面白いと言って話しかけてくる青年がいた。
ここに進学してきた山本正人だ。
二人は友達になった。
智は、ピアノが得意で声も綺麗な同級生の増田真奈美が好きになった。
智の聴力が、少しずつ衰えてきていた。
福島教授は、全盲聾者として、世界で初めて常勤の大学教授になった人だ。
虚飾がなく、リアリティがあって、心に迫ってくる作品である。
また、幼少期を演じた森優理人も、成長後を演じた田中偉登も素晴らしい。
大学進学から教授になるまでを描いた続編が作られるのを、強く願う。