佐藤健主演、日本の映画である。
主人公「僕」は郵便局員で、毎日、自転車で配達をしている。
その日、配達が終わり帰宅途中で、いつものように親友ツタヤの店に立ち寄った。
ツタヤは僕に、おすすめの映画DVDを貸してくれる。
その後、自転車に乗っていると急に頭痛がして、転倒した。
病院で検査を受けると、脳腫瘍だった。
すでに末期で、いつ死んでもおかしくないと言われた。
取り乱すこともなく僕は、猫の「キャベツ」が待つアパートに帰った。
部屋に入ると、自分にそっくりな男がいた。
彼は「悪魔」だと名乗り、僕が明日死ぬと告げた。
悪魔は、僕に取引を持ちかけた。
この世から何か一つ消し去れば、一日寿命が伸びると言う。
僕がそれを受け入れると、悪魔は、電話を消そうと言った。
電話が有る最後の日、誰に電話をかけるのかと聞かれ、僕は元カノに電話した。
その夜、幼い頃の夢を見た。
翌日、久しぶりに彼女と会った。
電話をした理由を聞かれて、僕は、世界中から電話が消えるとして、最後に電話をかけるとしたら君だ、と答えた。
彼女は、電話は消えてほしくない、と言った。
二人の出会いは、彼女の間違い電話からだったのだ。
彼女は、小さな映画館「ミナト座」で働いていて、そこの2階に住み込んでいる。
デートが終わり、僕は彼女を送っていって、病気のことを告白した。
僕が去った後、彼女は机の引き出しから手紙を取り出し、ポストに投函した。
帰りの電車で悪魔が現れ、僕が持っていたスマホが溶けるように消えた。
周囲にいた人のスマホも、次々に消えていく。
僕は慌てて飛び出し、彼女の元に向かった。
受付に座っていた彼女は、僕のことを全く知らないようだった。
出会いのきっかけだった電話がこの世から消えたことで、二人は出会ってさえいないことになってしまったのだ。
1日寿命が伸びだが、次に悪魔は、映画を消すと言い出した。
映画は、ツタヤと親友になったきっかけだ。
翌日、ツタヤの店は本屋になっていて、彼は僕のことを知らなかった。
ミナト座も消えていた。
いろいろ考えさせられる作品である。
佐藤健も、彼女役の宮崎あおいも、ツタヤ役の濱田岳も、素晴らしい演技だ。