市原隼人主演、日本の映画である。
1984年、秋。
甘利田幸男は、常節 ( とこぶし ) 中学校一年一組の担任をしている。
彼は、給食をこよなく愛する、給食絶対主義者だ。
副担任には、産休補助として赴任した御園ひとみがついていた。
中間テストが終わり、明日から、甘利田が待ちに待った給食がようやく再開する。
職員室では、教員たちが試験の採点に追われていた。
甘利田は国語担当の御園から、採点基準について尋ねられたが、彼は文学に興味がなく、適切な答えを与えられなかった。
翌日。
給食の献立メニューに、「鯨のオーロラソース」とあった。
オーロラソースを知らない甘利田は、想像を巡らせながら、給食の時間が楽しみで堪らなかった。
そして、給食。
甘利田は、まず、オーロラソースをスプーンの先につけて、口に運んだ。
彼は、それがケチャップ、マヨネーズ、ウスターソースを混ぜたものだと分析し、あまりの美味しさに感動した。
そして、けんちん汁。
汁を一気飲みしたいのを我慢して、ソフト麺を投入し、じっくり味わった。
生徒の一人、神野ゴウも、甘利田と同じく給食を愛していた。
二人は、互いにライバル視している。
定石通りの食べ方で、一足早く完食した甘利田は、神野を観察した。
すると神野は、けんちん汁の汁を一気飲みしているではないか。
その後、彼はソフト麺をちぎって、オーロラソースを付けて口に入れた。
さらに、ソフト麺を小分けにして並べ、鯨肉やけんちん汁の具材を乗せ、まるでカナッペの様に食した。
それを見た甘利田は、神野の工夫を賞賛し、負けを認めた。
そして、常識に囚われていたことを、反省した。
その日の放課後、教育実習生の歓迎会が居酒屋で開かれ、甘利田は飲めないビールを飲んでしまった。
翌日、二日酔いで出勤した。
この日の給食は、「すき焼き風煮」である。
神野は飼育係の特権で、採取した卵を溶いて、すき焼き風煮を堪能した。
この日も、甘利田の完敗だった。
放課後、教育委員会の鏑木がやってきて、給食が廃止になることを通告した。
この作品は、テレビシリーズの劇場版である。
軽いコメディだ。