黒澤明監督、日本の映画である。
昭和十八年。
法政大学でドイツ語を教えている内田先生は、随筆が売れるようになったので、教職を辞めることにした。
教室では、生徒達が「仰げば尊し」 を歌う。
辞めてからも彼を慕う教え子達は、酒を持って彼の家に集まった。
ある日、先生は自分の還暦祝いに、教え子達を呼び、馬肉と鹿肉でもてなした。
戦争が激化し、先生の家も空襲で焼けてしまう。
先生夫妻は、しばらくの間、小屋に住むことになった。
戦後、教え子達の支援もあって、先生は新築の家を持った。
教え子達は、毎年先生の誕生日を祝う「摩阿陀会」 を結成する。
これは、「まあだかい ? 」、と問われ「まあだだよ」 と応えるところに因んでいる。
あの世からお迎えが来ましたか、まだですよと。
先生の長生きを願う教え子達の、洒落である。
第一回摩阿陀会が、盛大に行われた。
その後、先生の家に野良猫が住み着く。
先生は、「ノラ」 と名付けて可愛がった。
しかしある日、先生の出張中にノラが家出してしまう。
教え子達は、協力して猫を探すのだった。
のんびり、ほのぼの。
現在でも活躍している有名俳優達が、多数出演している。