夜間中学に勤める黒井は、ある日、校長に呼び出された。
異動の要請だが、黒井は、あっさり断った。
黒井は教室に行き、授業のはじめに、イノさんからのハガキを後の黒板に貼りだした。
イノさんは、現在、病気療養中だけども、必ず元気になって卒業式に出席するとのことだ。
卒業式を控えた黒井のクラスでは、卒業文集に載せる作文の授業だ。
黒井の生徒は、焼き肉屋を経営しているオモニ、中国人と日本人のハーフ張、清掃会社に勤める若いカズ、中1で不登校になったえり子、不良少女のみどり、脳性麻痺で言葉が不自由な修、そして、イノさんだ。
作文を書かせている間、黒井の回想シーンが続く。
このシーンを通して、生徒達を紹介しているのだ。
チャイムが鳴って、給食が始まる。
食堂では、歌が始まって、賑やかだ。
そこに、電話が入る。
故郷の病院で療養していたイノさんが、亡くなったのだ。
イノさんは、苦労に苦労を重ねて生きてきた。
50過ぎて、夜間中学に入り、学び始めたのだった。
イノさんが入学するいきさつからのシーンが、始まる。
主人公・黒田先生の私生活や内面が描かれていないので、感情移入できなかった。
様々な事情を抱えている生徒の紹介に終始していて、それだけのもの、という感じだ。