京都アニメーション制作、日本のアニメーション映画である。
手紙を代筆する「自動手記人形 ( ドール ) 」であるヴァイオレットに、仕事の依頼がきた。
大貴族の娘イザベラ・ヨークの家庭教師として、良家の子女としての教養や作法を教えてほしいというものだった。
3ヶ月後には、社交界デビューのための舞踏会が開かれる。
それまでにイザベラを一人前の淑女にしてもらいたい。
派遣された初日、イザベラは心を閉ざしていた。
ヴァイオレットは、付き添い人としてイザベラの通う名門女子校についていった。
見た目の美しさだけでなく、みんなに馴染めないイザベラを庇う所作が自然で美しいヴァイオレットは、他の生徒たちから「騎士姫様」と呼ばれて人気者になった。
イザベラは、なんでも完璧にこなすヴァイオレットと自分を比べて、とても惨めだった。
ある夜、咳き込んで眠れないイザベラの背中を、ヴァイオレットは、そっとさすってあげた。
そして、一晩中、彼女の手を握ってあげていた。
このことがきっかけで、イサベラは心を開くようになった。
二人で風呂に入ったり、一つのベッドで寝たりするようになった。
イザベラにとって、ヴァイオレットは初めての友達だった。
ヴァイオレットの指導のおかげで、イザベラはダンスも上手く踊れるようになった。
舞踏会の日、ドレスを着た二人は注目を浴びた。
無事に舞踏会が終わり、ヴァイオレットが帰る日の前夜、イザベラは彼女に手紙を頼んだ。
相手は、妹テイラーだ。
イザベラは、私生児だった。
名前をエイミーといった。
「イザベラ」は、ここに来た時に付けられた名前だ。
ある日、彼女は捨てられた女の子を保護して、妹にした。
二人の暮らしは、貧しかったが、幸せだった。
そんなある日、大貴族のヨーク卿が、突然やってきた。
そして、エイミーがは、正妻の子ではないもののヨーク家の血を引くものだと分かり、引き取られることになった。
ヨーク卿は、テイラーの保護を約束した。
エイミーは、テイラーのためにヨーク卿の申し出を、受け入れた。
ヴァイオレットは、イザベラが書いた手紙を持って、帰っていった。
その手紙とヴァイオレットの手紙を、同じ郵便社に勤めるベネディクトが、孤児院にいるテイラーに届けた。
それから三年、孤児院を抜け出したテイラーが、ヴァイオレットを訪ねてきた。
京都アニメーション制作だからと肩入れするわけではないが、とても素晴らしい作品だ。
感動させられるシーンやセリフが、たくさんある。
何もかも、全部、美しい。