林遣都主演、日本の映画である。
原田家の一家四人は、父親の転勤に伴って、岡山にある祖父の実家に引っ越してきた。
祖父は、かつて甲子園の名監督だった。
孫の巧は小学校を卒業したばかりだが、彼はピッチャーとして、野球の才能を受け継いでいた。
引っ越してきてすぐ、巧は、近くの神社までランニングに出かけた。
地元の少年野球に所属していて、巧の試合を見てファンになったという永倉豪が話しかけてきた。
キャッチーの彼は、巧の球を受けたいという。
巧の豪速球を、わずか五球目でキャッチできたことから、巧は豪を認めた。
ただ、医者の息子である豪は、「野球は小学校卒業まで」と親に約束させられていた。
巧の弟・青波 ( せいは ) は、幼い頃から病弱で、運動すると熱を出してしまう。
野球が好きな青波は、巧の活躍が嬉しかった。
しかし母は、青波が不憫で、巧には辛く当たってばかりだ。
巧の影響で、豪は中学でも野球を続けられることになった。
巧は入学早々、三年生の風紀委員や戸村監督と衝突した。
己の信念を変えない頑固な巧を、戸村監督は持て余したが、彼の才能を認めざるを得なかった。
才能と傲慢な態度に腹を立てた三年生が、倉庫で巧を集団暴行した。
この暴行事件の責任を取る形で、野球部は当面の間、活動中止、夏の大会も辞退することになった。
監督は、暴行に加わっていない三年生に、なんとかして試合をさせてやりたかった。
近くの横手二中は、スラッガー門脇を擁する、全国大会準優勝の強豪校だ。
戸村監督は、巧に門脇と勝負させることを思いついた。
巧が勝てば、試合を申し込んでくるはずだと。
監督の思惑通り、巧は門脇を三振に打ち取った。
その場で門脇は、試合を申し込んだ。
この作品は小説を原作としていて、原作の雰囲気を壊していない。
とても感動的な作品に仕上がっている。
所々にある青波のセリフが、いいアクセントになっている。
青波の登場するシーンは、全て無駄がない。