13年前、ジャックはビジネスで成功する為、ロンドンへ研修に旅立とうとしていた。
恋人のケイトは、ロースクールに通わねばならず、一緒に行けなかった。
夢なんかより、二人でいる方が幸せというケイトを振り切り、離れていても僕たちは大丈夫と言い残し去っていくジャック。
現在、ジャックはウォール街の大手金融会社社長だ。
高層マンションの最上階に住んでいるが、独身である。
クリスマスイブ、ジャックは、入った店で揉めていた黒人青年を取りなして、その場を収めた。
黒人青年は、謎めいた言葉を残して去る。
翌日目覚めたジャックは、見知らぬ家のベッドにいた。
隣にはケイトが寝ていて、その家には二人の子供と大きな犬がいた。
ジャックは、慌てて自分のマンションに戻るが、入口で追い返されてしまう。
会社では、部下が社長になっていた。
ジャックは、ケイトと結婚し、ケイトの父親が経営している店でタイヤセールスをしていた。
例の黒人青年が現われる。
彼は天使だった。
そして今いるのは、ジャックが研修に旅立たずにケイトと結婚していたらという世界なのだ。
やがてジャックは、この世界に幸せを感じるようになる。
しかし、それも長くは続かない。
ある日目覚めると、元の高級マンションにいた。
ケイトと子供達がいるはずの家に行ってみると、見知らぬ人が住んでいた。
現在のケイトは独身で、パリへ事務所を移転する為、引っ越し準備に追われていた。
ジャックは、それを知り、ケイトとの生活を諦めるが。
この作品は、誰しもが持つ「もし、あのとき・・・していたら」である。
やり直せるものならやり直したい事柄の一つや二つ、あるいはもっと持っているだろう。
妄想を膨らませてくれる作品だ。