トニー・ザイラー主演、西ドイツの映画である。
大工のミハエル・キシュナーは、スキーの名手だ。
人々は彼のことを、「黒い稲妻」と呼んでいる。
ドイツ南部、チェコとの国境近くにあるホテル、セント・フロリアンでスキー大会が開かれた。
ミハエルは、ホテルの秘書グレーテル・ミッターマイヤーを愛している。
そして、料理人の甥アンディを可愛がっていた。
スキー大会に、各国から有名選手が集まってきた。
かつてのチャンピオン、ヘルベルト・ターナーは、この大会で再起を期していた。
ところが、彼が調合したワックスが盗まれた。
そのワックスが、ミハエルの仕事場で見つかった。
彼は、仲間達に問い質したが、誰も口を割らなかった。
仕方なく、彼はターナーにワックスを返しに行った。
ターナーは、逆上してミハエルを殴りつけた。
ターナーだけでなく、皆んなが彼を疑っていた。
それを知ったミハエルは、一人、山小屋へ去った。
アンディが、これに腹を立て、ターナーに対する復讐に出た。
ターナーが滑るコースの危険標識を、外したのだ。
それと知らず飛ばすターナーは、事故に遭い、重傷を負った。
この作品は、オリンピック金メダリスト、トニー・ザイラーの初主演作品である。
スキーがうまいのは確かだ。
脚本は極めて単純であり、主役の演技には、期待する方がおかしい。