サミュエル・L・ジャクソン主演、アメリカの映画である。
元警官のトム・カトラーは、自然死や犯罪現場の清掃業を営んでいる。
彼は、娘のローズと二人暮らしだ。
その日トムは、助手のミゲルが気分がすぐれないので、一人で依頼のあったノーカット邸に向かった。
そこは豪邸で、鍵が掛かっていて、刑事の名前で玄関が封印されていた。
殺人現場である。
指示書には、鍵は鉢植えの下にあると書いてあった。
鍵を見つけたトムは、中に入り、いつものように仕事をしたが、鍵を持ち帰ってしまった。
翌日、その家を訪れ、出てきたアン・ノーカットに「鍵を返しにきた」と告げた。
アンは、何のことかわからない様子で、話が噛み合わない。
不審に感じたトムは、その場を誤魔化して帰った。
トムは、ノーカット邸の清掃記録ファィルを、引き出しの奥にしまった。
かつての相棒だったエディ・ロレンゾから電話が入り、トムは久しぶりに飲みに出かけた。
バーで二人で飲んでいると、テレビではトムが清掃した家の主人ジョン・ノーカットの失踪が報じられていた。
トムは、そこに居合わせた知人であるジム・バーガス刑事に、それとなく探りを入れるが、何も教えてもらえなかった。
アンが、夫に何があったか知りたいと、トムの事務所を訪ねてきた。
ジョン・ノーカットは、裁判で証言することになっていて、口封じで殺された可能性が高い。
トムは、ジョンが付けていた帳簿を見せられた。
そこには、賄賂をもらっていた警官の番号が列記されていた。
その中にはトムの番号もあった。
この作品は、犯人が分かりやすく、推理を楽しむものではない。
図らずしも殺人現場を清掃して証拠隠滅をしてしまったトムが、犯人にされかねない状況に追い込まれる「不安感」を、堪能する作品だ。
ラストは、やりきれない気持ちにさせられた。