フランスの映画である。
ニースの撮影所では、映画「パメラを紹介します」の撮影が始まっていた。
これは、父が息子の嫁と駆け落ちする話だ。
嫁役のハリウッド女優ジュリーの到着が遅れていて、彼女がいないシーンから撮影されている。
この日は、息子が父に平手打ちをするシーンの撮影だ。
セットが完成し、大勢のエキストラも準備している。
監督は、スタッフの質問に答えたり、指示を出したり、忙しい。
息子役のアルフォンスと父役のアレキサンドルは、何度もリハーサルを繰り返していた。
アレクサンドルは、自分の妻を演じているセブリーヌに挨拶に行った。
セブリーヌは息子のことで悩んでいて、アル中になっている。
そのため、台詞覚えが悪く、あちこちにカンペを貼り付けなければならなかった。
これも、監督の悩みの一つだ。
スタッフは、撮影所近くのホテルに滞在している。
アルフォンスは、恋人リリアンと同室だ。
女性経験の乏しいアルフォンスは、リリアンにプロポーズした。
その気のないリリアンは、軽く流す。
それなのに、受け入れられたと信じたアルフォンスは、監督に結婚式の介添人を頼んだ。
監督はリリアンに「おめでとう」を言うが、リリアンは変な顔をする。
アメリカの事務所から、ジェリーの到着が先になると連絡が来た。
金と時間をかけて撮影した群衆シーンのネガがダメになったと、知らせが入った。
リリアンが、スタッフの一人と駆け落ちして出て行ってしまい、アルフォンスはひどく落ち込んだ。
次から次へとトラブルに見舞われながらも、監督は、情熱を持って撮影を続けていく。
ドキュメンタリー風で、映画撮影の裏側を垣間見ることができて、面白い作品だ。