早撃ちのジミー・リンゴは、どの街に行っても有名だ。
ある街の酒場に入っていくと、客達は、ひそひそと話し始めた。
一人の粋がった若者が、ジミー・リンゴに突っかかった。
そして、銃を抜いた瞬間、逆に撃ち殺された。
若者が最初に銃を抜いたことは、大勢いた客が証人となり、正当防衛が認められた。
しかし若者には、荒くれた兄が3人いた。
三兄弟は、弟の敵を討つために、ジミー・リンゴの後を追った。
途中、ジミー・リンゴは、彼らを待ち伏せして銃と馬を奪い、彼らを荒野に置き去りにした。
三兄弟は、徒歩でジミー・リンゴを追った。
ジミー・リンゴは、8年ぶりにカイエンの街に帰ってきた。
彼が酒場に入ると、店主は保安官を呼んだ。
かつての仲間・マークは、街の保安官になっていた。
ジミーは、この街に残した妻と息子に会いに来たのだった。
妻は彼に会いたがっておらず、マークは、伝言を伝えに出掛けた。
ここでもジミー・リンゴは、有名人だ。
大人達だけでなく、学校をサボった子供達までも、店を取り巻いている。
向いの二階では、ジミー・リンゴに息子を殺されたと思い込んでいる老人が、ライフルで狙っていた。
この作品は、派手な撃ち合いがない。
カイエンで過ごす数時間が、メインだ。
徒歩で追いかけてくる三兄弟がカイエンに着く前に、ジミーは妻と再会して、何事もなく街を出て行けるかどうか。
濃密な作品である。