captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

百年恋歌

台湾の映画である。

 

3つの恋愛物語で、構成されている。

 

それぞれ、スー・チーチャン・チェンが、カップルを演じている。

 

第1話は、1966年の高雄が舞台だ。

 

兵役を控えた青年がビリヤードをしに来て、美しい少女シウメイに心を奪われた。

 

第2話は、1911年。

 

遊郭に通う役人チャンには、馴染みの芸妓がいた。

 

しかし彼は、革命のため、彼女を捨てて日本に行く。

 

第3話は、2005年の台北

 

歌手のジンとカメラマンのチェン。

 

二人は互いに惹かれあうが、それぞれに恋人がいた。

 

台詞が少なく、靜かで、しっとりとした作品である。

 

心に深くしみいってきて、切なくて仕方がない。

 

秀作だ。

ブロークン・フラワーズ

ビル・マーレイ主演、アメリカの映画である。

 

主人公ドン・ジョンストンは、コンピュータービジネスで成功して金持ちになった。

 

悠々自適で、これ以上望むものもなく、無気力な日々を送る中年男性である。

 

同棲していたシェリーは、ついに愛想が尽きて出て行ってしまった。

 

そんな彼の元に、ピンクの手紙が届いた。

 

差出人の名前は、書かれていない。

 

20年前に彼と別れてから、息子を産んだ。

 

息子は、ドンを探して旅に出た、と書かれている。

 

隣人のウィンストンに見せたところ、別れた女に違いないから、探せという。

 

ドンは、20年前に別れた女の住所を尋ね歩いた。

 

一人目、二人目、三人目と「ピンク」 の共通点はあったが、それだけだった。

 

四人目の女性とは喧嘩し、男に殴られる始末だ。

 

そして五人目は、墓地に眠っていた。

 

この後、帰宅すると2通目の手紙が来た。

 

また、彼の息子かも知れない青年とも出会うが。

 

なんとも、スカッとしない作品だ。

 

人生とは、そんなものだと割り切ることもできる。

 

映画の世界なのだから、実生活を忘れさせてもらいたいね。

ふたりの5つの分かれ路

フランスの映画である。

 

ジルとマリオン夫婦は、ついに離婚が成立した。

 

その後ふたりはホテルに行き、もう一度愛を確かめ合ってみる。

 

ジルは、やり直したかったが、マリオンには無理だった。

 

彼女は一人、去っていく。

 

物語は、時間を遡る。

 

ジルの兄に恋人 ( 男性 ) ができたので、ジルとマリオンは自宅に招待した。

 

会話の流れで、ジルは、過去の浮気話をする。

 

それが自慢話になってきて、マリオンには辛かった。

 

その夜、マリオンは息子のベッドで、泣きながら眠った。

 

遡って、息子の出産の日。

 

マリオンは、緊急分娩になった。

 

ジルには連絡したが、なかなか病院に来ない。

 

彼女は帝王切開で出産し、ジルが来たのは、3時間も経ってからだった。

 

ジルは、保育器の中にいる息子を見て、吐き気をもよおし、出て行ってしまう。

 

その夜、マリオンは電話でジルに子供の名前について相談した。

 

ジルは、全く考える気がなく、マリオンは一人で「ニコラ」 と名付けた。

 

遡って、二人の結婚式、

 

パーティーで飲み過ぎたジルは、酔いつぶれて寝てしまった。

 

マリオンは、仕方なく散歩に出る。

 

池の所まで来た時、すてきな男性に声を掛けられた。

 

結婚式の参列者の振りをした彼女は、一度は断ったものの、その男性とベッドを共にした。

 

そして、二人の出逢いまで遡る。

 

新しい手法の、恋愛映画だ。

 

新婚初日の妻の裏切り以外は、離婚するほどのエピソードではない。

 

それでも、最初のボタンの掛け違えが、後々まで影響するのだ。

 

彼らの日常生活をイメージして、最後には納得する。

 

ただ、なんとなく切なかった。

 

 

ベガスの恋に勝つルール

キャメロン・ディアスアシュトン・カッチャー主演、アメリカの映画である。

 

主人公ジョイは、キャリアウーマンだ。

 

ニューヨーク・ウォール街で働いている。

 

恋人メイスンの誕生日に、友人を呼んでサプライズパーティーを開く。

 

時間になり、友人達が隠れると、メイスンがやってきた。

 

彼は、別れ話を切り出し、去ってしまう。

 

ジョイは、友人達の目の前で失恋してしまった。

 

彼女は、友人のディッパーに慰められ、ラスベガスでパァーっと遊ぶことになった。

 

一方、ジャックは、父親の経営する工場で働いていたが、仕事も私生活もだらしなく、ついにクビになり、追い出されてしまった。

 

彼は、親友のスティーヴとラスベガスに遊びに行くことになった。

 

ジョイとディッパーはホテルに到着し、部屋でシャワーを浴びる。

 

そこへ、ジャックとスティーブが入ってきた。

 

部屋がダブルブッキングされていたのだ。

 

フロントに抗議すると、あっさりVIP待遇に。

 

バーで、互いに打ち明け話をしながら酔いつぶれたジョイとジャックは、一夜を共にした。

 

目覚めると、ジョイの左手薬指には婚約指輪が。

 

二人は口喧嘩。

 

ジョイが去ろうとした時、ジャックはジョイの小銭でスロットを回す。

 

それが、300万ドルになった。

 

互いに自分のものだと主張する二人は、ニューヨークで裁判所の審判を仰ぐ。

 

その結果、六ヶ月間、夫婦生活をすることになった。

 

半年我慢すれば、150万ドルが手に入る。

 

ジョイは、ジャックの家に越してきて、我慢の日々を過ごす。

 

互いに、相手に浮気させるよう仕向けたりするが・・・。

 

コメディタッチで、最後まで楽しめる。

 

ハリウッドの作品だから、もちろんハッピーエンドだ。

 

終盤はありきたりで、誰もが予想するような展開になる。

 

期待した通りになって、「安心」 する作品だ。

イップ・マン 継承

ドニー・イェン主演、香港・中国合作の映画である。

 

「イップ・マン」 シリーズ、第三作だ。

 

1959年、イッフ・マンは妻と次男の三人で暮らしていた。

 

長男は、修学のため故郷の仏山に戻っている。

 

ある日、若き日の李小龍 ( ブルース・リー ) が、入門に来た。

 

幼少の頃の約束を、彼は覚えていた。

 

しかし、イップ師匠に軽くあしらわれ、退散する。

 

ある日、次男が小学校で喧嘩騒ぎを起こした。

 

イップ師匠は、相手の子を家に呼んで、一緒に食事をし、仲直りをさせる。

 

やがて、その子の父親が迎えに来た。

 

彼も詠春拳の使い手だった。

 

武館を開く資金を稼ぐために、裏社会で賭け試合に出ている。

 

別の日、小学校に地上げ屋が押し込んできた。

 

たまたま、子供を迎えに来ていたイップ師匠が、地上げ屋達を叩きのめし、警察を呼んだ。

 

イップ師匠達は、その日から夜警をすることにした。

 

そこへ、地上げ屋グループが大人数で押し寄せ、放火騒ぎになる。

 

ドニー・イェンのアクションが、見物だ。

 

不動産王として地上げをさせているアメリカ人を、マイク・タイソンが演じている。

 

タイソンとドニー・イェンの格闘も、素晴らしい。

 

なお、ブルース・リーは、イップ・マンの元で詠春拳を学び、アクションスターへと上り詰めた。

 

 

 

 

マン・ダウン 戦士の約束

アメリカの映画である。

 

主人公ガブリエル・ドラマーは、アメリ海兵隊員だ。

 

基地内で、ベイトン大尉の面接を受けている。

 

回想シーンが始まる。

 

ガブリエルは、友人デビンと共に、海兵隊の訓練を受けている。

 

厳しい訓練を受けた後、帰宅する。

 

息子のジョン ( ジョナサン ) は、小学生だ。

 

みんなの前で母親から「愛してる」 と言われたせいで、いじめられている。

 

ガブリエルは、軍隊用語の「マン・ダウン」 を、愛してるという意味の合い言葉にしようと、ジョンに提案した。

 

ガブリエルが、アフガニスタンに派遣される。

 

親友のデビンは、腕を骨折していたために、一緒には出征しない。

 

しばらくして傷の癒えたデビンも、アフガニスタンに派遣され、ガブリエルとバディを組んだ。

 

これら回想シーンの他に、帰還した二人が荒廃したアメリカの街にいるシーンが出てくる。

 

「ゾンビ」 や「バイオ・ハザード」 などに出てくるような荒れ果てた街で、二人は家族を捜して彷徨う。

 

二人は生存者を発見し尋問するが、相手は、答えをはぐらかしてばかりだ。

 

やがてガブリエルは、ジョンが建物に連れ込まれるところを見た。

 

彼は、救出のために突入する。

 

この作品は、面接シーン、回想シーン、荒廃した街のシーンが、ランダムに、突然入れ替わる。

 

初めのうちは、訳が分からなく、イライラさせられる。

 

終盤になれば、それらが一つに繋がり、そのような構成にした理由も分かる。

 

アメリカの闇を描いた作品だ。

 

現実には、もっと酷いことも起きているらしい。

 

 

 

 

ハッド

ポール・ニューマン主演、アメリカの映画である。

 

舞台はテキサス、主人公ハッドは、34歳、独身。

 

父親ホーマーの牧場で働いているが、遊び人だ。

 

朝、帰ってこないハッドを、甥のロンが街へ探しに来た。

 

牛が一頭死んでいて、原因が分からないから、ホーマーが呼びにやったのだった。

 

ロンは、あちこち訪ね歩いて、ハッドのキャデラックを見つける。

 

ハッドは、人妻としけ込んでいたのだった。

 

牛は、口蹄疫の疑いがあった。

 

ホーマーは、獣医に診せようと言うが、ハッドはばれる前に売ってしまえと対立する。

 

結局、獣医に診せ、結果が出るまで牛を全頭、隔離しておくしかなかった。

 

ホーマーとハッドは、上手くいっていない。

 

しかし、ロンは、格好いいハッドにあこがれている。

 

酒場に連れて行ってもらって、成り行きで客と喧嘩になり、スカッとする体験をさせてもらって、ますます、ハッドを崇拝する。

 

ハッドは、ホーマーを隠居させて、牧場を売り払うつもりでいた。

 

ある夜、酔ったハッドは家政婦のアルベに手を出そうとして、ロンに止められた。

 

ロンは、密かにアルマにあこがれていたのだ。

 

ハッドは、孤立していく。

 

モノクロの作品で、内容も重い。

 

スカッとしない作品だ。

 

テキサスの牧場といっても、西部劇ではない。

 

撃ち合いもなければ、善と悪の戦いもない。

 

喧嘩のシーンが少しあるだけで、盛り上がりのない作品だ。

 

「人間ドラマ」 として観れば、納得するのかも知れない。

 

ハッドは、孤独だ。

 

兄を亡くし、父には疎まれている。

 

友人と呼べる人物も、登場しない。