イギリスの映画である。
実話に基づいている。
路上ミュージシャンのジェームズは、薬物中毒から抜け出す努力をしていた。
ホームレスの彼にとって、雨の夜は辛い。
友人に誘われるまま、再び麻薬に手を出してしまい、病院に搬送された。
その後、薬物カウンセラーのヴァルから住む家を与えられ、麻薬中毒から抜ける努力を再開した。
ある日、彼の部屋に茶トラの猫が迷い込んだ。
彼は猫にエサを与えて、近所で飼い主を捜すが見付からず、逃がしてやる。
後日、怪我をしてうずくまっている、その猫を見つけた。
近所に住む女性ベティが、動物病院を紹介してくれ、結局、彼が飼うことになった。
ボブと名付けられた猫は、路上ライブで文字通りの「招き猫」 だ。
観客が沢山集まり、収入が増えた。
ボブは、ベティとも仲良くなって、幸せである。
そんなある日、トラブルに巻き込まれ、路上ライブを禁止されてしまう。
仕方なく、ホームレス救済のための雑誌売りを始める。
彼の肩に乗って付いてくるボブの人気で、雑誌は、よく売れた。
しかし、またトラブルがあって、一ヶ月間、販売活動を禁止されてしまう。
犬に追いかけられて、ボブはどこかへ逃げてしまうし、踏んだり蹴ったりだ。
仲良くなっていたベティには、薬物中毒のことで嫌われたままだ。
落ち込むジェームズの元に、ボブが帰ってきた。
ジェームズは、代用薬も断って、本格的に麻薬から抜け出す決心をした。
トラブルに巻き込まれても、内気で自己主張の弱いジェームズが、もどかしくて仕方がない。
そのイライラを、ボブが癒してくれる。
本物の「ボブ」 が出演している。
他人と競争したり、闘ったりしない方が幸せになれるのかも知れない、と考えさせられる作品だ。