実話に基づいた、アメリカ・イギリス合作の映画である。
自由黒人ヴァイオリニスト、ソロモン・ノーサップは、妻と二人の子供達とともに、幸せに暮らしていた。
ある日、ヴァイオリンの腕を見込まれて、ワシントンでの仕事を依頼される。
興行は成功して、レストランで夕食を御馳走になった。
しかし、ワインに薬品が仕込まれていて、ソロモンは昏睡状態のまま拉致された。
そして鎖に繋がれ、南部へ奴隷として売り飛ばされる。
奴隷市場で彼を買ったのは、材木商のフォードという優しい男だった。
真面目に働くソロモンを気に掛けてくれたが、監督官の男に嫉妬され、吊されてしまう。
命は助かったが、フォードはソロモンをエドウィンという男に売った。
監督官の男に、命を狙われているからだ。
彼は、エドウィンの農場で、辛い日々を送る。
この作品は、主人公ソロモン・ノーサップの自伝に基づいて制作された。
白人による黒人奴隷の虐待が、随所に描かれている。
しかし、実際は、もっと悲惨だったのだろう。
拉致されて生き延びた奴隷は、極めて少なかったのだ。
ほとんどが、死ぬまでこき使われたのである。
映画ゆえ、むごたらしいシーンばかりにするわけにはいかない。
多少とも、悲惨さが伝わる作品ではある。