南北戦争が終わって40年経っても、ケンタッキー州は南部魂が息づいていた。
プリースト判事は、進軍ラッパを愛用し、軍人会を開いたりしている。
気に入らない弁護士のメイドウは、判事選挙に対抗馬として立候補した。
ある日プリースト判事は、黒人少年がレイプ犯の疑いをかけられ、住民のリンチに遭うところを助けた。
公正な裁判を受けさせるためだ。
この少年は、判事が紹介した農場へ働きに行っていたのだった。
その地区の住民達が大勢、武装して少年を取り返しに来た。
「犬が吠えたから、そのガキが犯人だ」という先導者をプリースト判事が追い払うと、住民達も、すごすごと帰って行く。
街には、リーという美女がいた。
老将軍の孫娘なのだが、訳あって将軍は受け入れていない。
リーは、レイク医師に養われていた。
金持ちの美男子アショビーが、久々に街に帰ってきて、成長したリーと再会し、恋をする。
数日後アショビーは、道端で倒れた女性を医師の元に連れてきた。
それの女性は、リーの母親だったのだ。
その後、彼女は、願い通り、マリーの売春宿に連れて行ってもらい、最後を迎える。
葬列のシーンは、この映画の最大の見所だ。
棺を積んだ馬車を先頭にして、黒衣の売春婦を乗せた無蓋馬車が続く。
正装したプリースト判事が、1人、歩いてついていく。
売春婦の葬儀ということで、町の人たちは、ただ見ているだけ。
その中でも誠実な人か、1人、また1人と、葬列に加わっていく。
ガンマン同士の撃ち合いがあるわけでもないし、ヒーローものでも成長物語でもない。
しかし、たんたんと、美しい作品と言える。
西部劇を期待した人には、退屈な映画だろう。