イギリスとアメリカ合作の映画である。
第二次大戦中ドイツが開発した暗号を破った天才数学者、アラン・チューリングの自伝的作品だ。
1951年、チューリングが警察署の取調室で尋問されているシーンから始まる。
そして、エニグマ解読のために働いているのと、寄宿学校時代のと二つの回想シーンがあって、ややこしい。
彼は、政府の極秘プロジェクトチームの一人になった。
エニグマはマシーンである。
マシーンに勝つのはマシーンなのだと、解読機の制作に取りかかる。
天才ゆえ、協調性が皆無で、孤立してしまう。
新たに加わった女性メンバーが、彼とチームのメンバーの仲を取り持ち、以後は協力して解読機の制作を続けた。
やがて暗号解読に成功する。
しかし、そのことをドイツに気付かれてはならない。
犠牲をあえて黙認することで、戦争を勝利に導かなくてはならないのだ。
この部分は、非常に重苦しい。
結果としては、終戦が2年早まり、1400万人の戦死者が減ったと計算されている。
彼が作ったデジタル計算機、チューリング・マシーンは、現代ではコンピューターと呼ばれている。
多くの人を救い、平和をもたらした英雄のはずが、プロジェクトは極秘であり、チームは存在しなかったことになっていたため、英雄扱いされることはなかった。
戦後、彼は不遇だった。
空き巣が元で、同性愛がばれた。
当時のイギリスで同性愛は、わいせつ罪だったのだ。
裁判で有罪判決を受けた。