captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

フィラデルフィア

トム・ハンクス主演、アメリカの映画である。

 

主人公ベケットは、大手弁護士事務所の敏腕弁護士だ。

 

彼は同性愛者であり、エイズを発症している。

 

ある日、同僚が彼の顔に出来た「アザ」に気付く。

 

カボシ肉腫によるものだが、その場はごまかした。

 

彼は、病気による変化を隠す工夫をするため、しばらく仕事を休んだ。

 

そのとき、事務所では書類を一時紛失し、危うく裁判が出来なくなるという出来事があった。

 

それを切っ掛けに、ベケットは解雇される。

 

明らかに、エイズ患者に対する差別だった。

 

彼は不当解雇を訴え、裁判を起こすために弁護士を訪ね歩く。

 

そして、かつて法廷で戦ったことのある黒人弁護士ミラーの元へ。

 

ミラーは、同性愛者を嫌悪し、エイズに対する無知と偏見があった。

 

しかし、後に図書館で再会したことから、ミラーはベケットの弁護を引き受ける。

 

映画の中心は、法廷での駆け引きだ。

 

原告、被告双方の弁護士にとって大事なのは、陪審員の印象操作である。

 

法廷ドラマで、よく見る光景が繰り広げられる。

 

主人公はゲイであるが、性的描写はない。

 

ベケットの相手は、献身的な青年だ。

 

だから、普通に観ることが出来る。

 

感情移入することもないが。

 

 

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

香港、フランス合作の映画である。

 

雨の日のマカオ

 

夕食前にくつろぐ、両親と幼い子供二人が銃撃された。

 

かろうじて命が助かった母親の元に、フランシス・コステロと名乗る男が見舞いに来る。

 

彼女の父親だった。

 

彼女は彼に、夫と子供達の復讐を望む。

 

コステロは、偶然、三人組の殺し屋を見つけ、彼らに復讐の依頼をする。

 

その際、ポラロイドカメラで顔写真を撮り、名前を記入した。

 

彼の頭には、摘出できなかった銃弾が入っていて、記憶が消えていくからだ。

 

男達の情報網を駆使して、香港にいる仇を見つけ出し復讐する。

 

しかし、彼らも雇われた殺し屋だ。

 

雇い主を抹殺しない限り、復讐を果たしたことにはならない。

 

ところがコステロの記憶が薄らいできて、誰を殺すのかどころか、誰のために殺すのかも定かでなくなってきた。

 

ここから話が、意外な展開をしていく。

 

昨年末亡くなった、ジョニー・アリデーが主役のコステロを演じている。

 

チャールズ・ブロンソンみたいで、なかなか渋い。

 

少し、寂寥感が残る作品だ。

トランスポーター イグニッション

エド・スクライン主演、フランスの映画である。

 

運び屋フランク・マーティンが、三つの掟に従って、依頼された品物を運ぶという設定は同じだ。

 

フランクは、久しぶりに父親と再会し、くつろいでいる最中に依頼を受ける。

 

待っていたのは、一人の美女で、重量104キロの品物を運んでほしいという。

 

依頼された日時に、待ち合わせ場所の銀行に出向くと、髪をブロンドにした彼女が、助手席に乗り込んできた。

 

「荷物は ?」の問いに、答えるまでもなく、同じ格好をした美女が二人、後部座席に乗り込む。

 

フランクは、契約の取り消しを申し出たが、父親が人質に取られていた。

 

この映画の見所は、カーチェイスだけだろう。

 

ストーリーは単純で、派手に車が壊される。

 

狭いヨーロッパの道を、幅広のアウディS8が疾走する姿は、迫力がある。

 

父親が二度も拉致されるが、なぜ、彼の居場所が分かったのか。

 

簡単に拉致されたのは、不自然だ。

 

売春婦が射撃の名手だというのも。

 

そんなのは些末なことだとして、アクションを楽しめばいいのかもしれない。

アパッチ ( 1990 )

ニコラス・ケージ主演、アメリカの映画である。

 

アパッチとは、戦闘ヘリAHー64のことだ。

 

この改良型が、先日事故を起こしたロングボウなのだが、最強の戦闘ヘリコプターである。

 

南アフリカの麻薬シンジケートを壊滅させるため、米陸軍はアパッチで攻撃することにした。

 

ジェイクは、南アに来て厳しい訓練を受ける。

 

そこで、かつての恋人ビリーと再会した。

 

ビリーは、偵察ヘリの副パイロットをしている。

 

Fー14がアパッチに替わっただけで、内容は「トップガン」みたいだ。

 

戦闘シーンは、なかなかの見物である。

 

実際には、軍の最高機密だから、本当はもっとすごい動きが出来るのだろう。

 

これが自衛隊にもあるということを考えると、なんだかワクワクする。

 

売れる作品の必須方程式、「友情、努力、勝利」が揃っていて、有名俳優が出演していて、それでもヒットしなかった。

 

脚本が、つまらないからだ。

 

二番煎じは、美味しくないのである。

 

 

新婚道中記

アイリーン・ダンケーリー・グラント主演、アメリカのコメディ映画である。

 

新婚の夫ジェリーは、フロリダへ行くと妻に嘘をつき、友達と一晩遊んで帰ってきた。

 

家にいるはずの妻ルーシーは、夫の帰宅後に帰って来る。

 

若い男性を連れて。

 

彼は歌の先生で、車が壊れたから安宿に泊まったのだ、という妻の言い訳をジェリーは信じられない。

 

口論の最中、ジェリーの嘘がばれる。

 

そのままエスカレートして、離婚することに。

 

裁判の結果、90日後に離婚が成立、飼い犬の「ミスター・スミス」はルーシーの元へ、と決まった。

 

その後、それぞれに新しいパートナーが現れ、どたばたが続く。

 

結末が早くから予想できるので、安心して観ていられる作品だ。

 

第二次世界大戦以前に作られたものだが、今観ても、十分楽しめる秀作である。

ミリキタニの猫

アメリカの映画である。

 

80歳のホームレス画家、ジミー・ツトム・ミリキタニのドキュメントだ。

 

アメリカで生まれた彼は、広島で教育を受け、再びアメリカに戻ってくるが、太平洋戦争か始まり、強制収容所に入れられた。

 

それをきっかけに、市民権を捨て、ホームレスになったのだ。

 

9.11同時多発テロが起きたときも、彼はニューヨーク・ソーホーの路上で絵を描いていた。

 

この映画を監督したリンダ・ハッテンドーフは、彼を自宅に呼び寄せ、話を聞く。

 

アメリカ人は、口では綺麗事を言っているが、有色人種への偏見や人種差別は、根強く残っている。

 

立派そうな人も、無意識のうちに差別しているのだ。

 

80歳にして、日々、絵を描き続けるミリキタニは、パワフルである。

 

ドキュメンタリーゆえ、淡々と進行するから、面白味に欠ける作品ではある。

 

しかし、こういう人がいるのだなと、勉強になる作品だ。

リトル・ブッダ

イギリス・フランス合作の映画である。

 

シアトルに住んでいる夫婦の元に、ラマ僧が突然やってきた。

 

夫婦の息子ジェシーが、高僧の生まれ変わりかもしれないという。

 

ラマ僧は、一通り話し終えた後、また会おうと言って、絵本を一冊おいていった。

 

それは、仏陀の一生を描いたものだった。

 

ジェシーの母が、読み聞かせるところで、舞台は古代インドへ飛ぶ。

 

シッダールタ王子の誕生だ。

 

王子は、成人するまで、城の外に出ることを許されなかった。

 

ある日、父王が髪の毛を染めている場面を目撃し、老いを悟る。

 

そして、父王の許しを得て、城の外へ出た。

 

そこで、様々な苦を目撃する。

 

そして、修行に入る。

 

物語は、シッダールタの修行と、ジェシー一家が平行して進行する。

 

結局ジェシー一家は、ヒマラヤを訪れ、そこにいた二人の子供と友に、最終審査を受ける。

 

勉強になる作品だ。

 

シッダールタ王子を、キアヌ・リーブスが演じている。