渥美清主演、日本の映画である。
昭和六年一月。
幼い頃に両親を亡くした山田正助は、岡山の陸軍歩兵第十連隊に入隊した。
彼は、たまたま居合わせた作家志望の棟本博と仲良くなった。
二年兵の原一等兵は、彼らを厳しくしごいた。
しかし、三度の飯にありつけ風呂にも入れる軍隊は天国だと、山田は喜んでいた。
ある日、原二年兵からビンタをくらった山田は、復讐を誓い、それを仲間に公言した。
連隊は、二年で除隊だ。
除隊間近になって復讐されるのを恐れた原は、なにかと山田をもてなした。
お人好しの山田は、すっかり復讐する気が失せてしまった。
歴史は繰り返す。
年が明け、二年兵になった山田たちは、新兵をしごいた。
ある日、街で酔っ払って門限に遅刻した山田は、営巣に入れられた。
その後、堀江中隊長の命令で、山田は一年兵の柿内に読み書きを教えてもらうことになった。
十一月、秋の大演習。
天皇陛下が視察にこられた。
写真ですら顔を見たことがなかった山田は、天皇陛下の優しい顔を見て感激し、大好きになった。
この作品は、「映画は娯楽」という言葉がぴったり当てはまる。
寅さんとは、少し違う渥美清が観られるのもいい。
放浪の画家、山下清が少しだけ出演している。