写真家の島津巳喜男は、亡き妻ヨーコに捧げる写真集を準備していた。
彼は出版社に、写真集の題名を「東京日和」にすると伝えた。
ヨーコは、今もこの部屋にいるような気がするのだが、思い出すのは、最悪の日々のことばかりだ。
回想。
ある日、仕事仲間が島津家にやってきて、食事会をした。
ヨーコは、台所に篭ったきり出てこない。
水谷のことを間違えて「谷口」と呼んでしまい、そのことを気にしていたのだ。
巳喜男はヨーコを宥めたが、結局、最後まで出てこなかった。
みんなが帰った後、ヨーコは家出した。
巳喜男がヨーコの勤め先を訪ねると、「夫がダンプにはねられた」とヨーコから電話があったと聞かされた。
この作品は、写真家荒木経惟・荒木陽子夫妻の小説を原作としている。
夫婦愛。