宮沢りえ主演、日本の映画である。
地方の街。
幸野家が営んでいた銭湯「幸の湯」は、父・一浩がふらっと出て行ったきり行方不明になったため、休業している。
母・双葉は、パン屋でパートをして、娘の安澄を養っていた。
高校生の安澄は、クラスの一部の女子からいじめを受けていた。
登校するのが嫌でグスグズしているが、双葉は、無理矢理送り出す。
その日、安澄は制服を絵の具で汚された。
学校に呼び出された双葉に対しても、安澄は自分がやったと言い続けた。
翌日、双葉は仕事中に倒れ、病院で検査受けた。
彼女は、末期の膵臓癌で、身体中に転移していて治療法が無いと告げられた。
余命は2ヶ月ほどしかなかった。
夜、双葉は銭湯に座り込んで泣いていた。
そこに安澄が電話をかけてきた。
娘の声を聞いて、双葉は気を取り直し、死ぬまでにやるべきことをやるのだと決意した。
幸野家には、毎年4月25日に、沼津の酒巻君江という女性からタカアシガニが送られてくる。
そして、双葉はいつも安澄に返事を書かせていた。
双葉は、探偵の滝本に夫の居場所を見つけてもらった。
そして、会いに行った。
双葉の病状を聞かされた一浩は、1年ぶりに帰宅した。
彼はアパートで再会した浮気相手の女性と一緒に暮らしていて、その女性の連れ子・片瀬鮎子を連れてきた。
相手の女性は、蒸発していた。
双葉は、銭湯を再開することを宣言した。
伏線が上手に回収されている。
病気が進んで痩せ衰えていく宮沢りえの演技が、凄まじい。