本木雅弘主演、日本の映画である。
昭和40年代。
トキワ荘に住む売れない漫画家寺田ヒロオは、原稿を描いては出版社に持ち込む日々を過ごしていた。
彼は、真に子供達のことを思った、優しい漫画を描いていた。
ある日、二人の青年が手塚を訪ねてきた。
あいにく手塚は留守だった。
寺田は、青年を部屋に招き入れ、彼らが持っていた原稿を見せてもらった。
寺田は、東京に出てくると言う二人に食事を振る舞い、部屋に泊めてやった。
しばらくして、手塚治虫がトキワ荘を去り、空いた部屋に藤子不二雄が引っ越してきた。
そして、石森章太郎、赤塚不二夫、森保直哉、鈴木伸一などが、トキワ荘に集まってきた。
みんな、雑誌「漫画少年」に投稿していた。
面倒見のいい寺田は、リーダー格だ。
若い作家が集まり、貧しいけれども活気があった。
彼を中心に、トキワ荘の漫画家と、通ってきている「つのだじろう」で、「新漫画党」を結成した。
みんなは、合作でのびのび描くことができた。
そして、何人かは芽が出始めた。
そんな時、「漫画少年」の学童社が倒産した。
この作品は、史実に基づいている。
主人公寺田ヒロオは、ヒット作を出さずに筆を折ったので、知っている人は少ないだろう。
映画の登場人物は、通常、名前を呼ばれることで認識されるが、この作品では、寺田、手塚、藤子以外は、途中まで名前がわからない。
つのだじろうだけは、「つのだです」と自己紹介しているが。
それはともかくとして、なんだか懐かしさを覚える作品だ。
似たような青春時代を送った経験のある人は、観れば元気になるだろう。