アメリカの映画である。
ベッドに腰掛けた青年が、鞄をピアノに見立てて、曲を弾いている。
彼は、ポール・ディートリック。
もうすぐ30歳になる彼は、ピアノコンペティションに出るのが、これが最後だ。
電話が鳴り、彼はタキシードに着替えた。
何度出場しても優勝できずにいる彼は、限界を感じていた。
しかし、ここまで父親の励ましで、続けてこられた。
裕福な家庭の娘ハイディ・ジョーン・スクーノーバーは、ピアノ教師グレタのスパルタ的な指導で、メキメキ腕を上げた。
ハイディは、ポールの幼馴染だ。
タクシーで会場に着いた彼女は、降りた途端、イタリア系の青年にナンパされた。
彼はジローラモ・ディサルヴォ、彼もエントリーしている。
会場に入ると、ポールがいた。
アフリカ系の青年マイクル・ハンフリーズは、高級ホテルの一室で、全裸でピアノを弾いている。
一次審査が終わり、決勝に進む六人が発表された。
ポール、ハイディ、ジローラモ、マイクルの他に、マーク・ランダウ、タチアナ・バローノヴァだ。
六人は、演奏の順番を決めるくじを引いた。
タチアナを指導していたピアノ教師が、突然、アメリカに亡命した。
このことで受けたタチアナのショックが大きく、決勝が1週間延期されることになった。
ポールとハイディは、同じ車に乗った。
ポールは彼女に、恋を打ち明けた。
二人は、恋に落ちた。
この作品は、ピアノの演奏が素晴らしい。
また、出場を待つ舞台裏の緊張感が、強烈に伝わってくる。