日本の映画である。
天平五年。
第九次遣唐使船が、出発した。
船には、若い僧侶、普照、栄叡、玄朗、戒融が乗船していた。
彼らには、唐の高僧を日本に招聘する任務が与えられている。
この時代の航海は、命懸けだ。
彼らには、留学僧に選ばれ名誉に思う気持ちと、再び日本に帰れないかもしれない不安があった。
蘇州に漂着した彼らは洛陽に入り、玄宋帝に迎えられた。
そこで、経典を日本に伝える為に写経に勤しんでいる業行や、他の留学僧に出会った。
戒融が一人、出奔した。
その後彼らは、唐の都、長安に移る。
彼らは、渡日してくれる高僧を探すが、なかなか見つからない。
いつしか、十年の歳月が過ぎ去った。
栄叡が鑑真と出会い、弟子を日本に連れて帰りたいと申し出た。
すると鑑真は、自らが日本へ行くという。
この当時、日本人が勝手に帰国するのは非合法であり、ましてや唐僧が渡日することは許されていなかった。
密航の準備をしている最中、栄叡が逮捕され、気落ちした玄朗は一行から離れていった。
天平七年、釈放された栄叡は鑑真を伴って渡日を決行した。
しかし、暴風雨によって失敗、栄叡は過労と熱病により死亡した。
四人が唐に入って、二十年の月日が流れた。
日本では、第十次遣唐使船の派遣が決定した。
この作品の殆どが、中国で撮影されている。
長安の街並みが美しい。
映画自体は、大したことなく、原作の小説の方が遥かに面白い。