黒木華主演、日本の映画である。
健史の大叔母、タキが亡くなった。
生涯独身だった彼女の遺品整理をしていると、健史に宛てた缶が出てきた。
中には、タキの自伝を綴ったノートが入っていた。
昭和11年。
山形の山村で生まれたタキは、東京の小説家の家に女中として入った。
しばらくしてタキは、小説家の奥さんの知人で、おもちゃ会社の常務をしている平井宅へ移った。
そこは、赤い瓦屋根の小さな家だ。
平井にも、妻の時子にも可愛がられて、タキにとって幸せな日々が続く。
そんなある日、平井家の一人息子、恭一が高熱を出した。
しばらく入院して熱は下がったものの、足が動かなくなった。
医師の診断は、小児まひ。
しかし、毎日マッサージを続けることで回復するという。
タキは、恭一を背負って医者通いをした。
その後、タキがマッサージの仕方を覚えて、自宅で療養するようになり、恭一はみるみる回復した。
世間の景気は良く、平井の会社も儲かっている。
昭和13年の正月。
平井の会社で働いている、若い板倉正治が平井宅に来た。
板倉は平井宅に通うようになり、時子は、板倉を恋するようになる。
平井は、板倉に縁談を持ちかけるが、彼は全く興味を示さない。
業を煮やした平井は、時子に、平井の下宿に行って説得してこいと言う。
それを切っ掛けに、時子は板倉の下宿に通うになった。
タキは、帰宅した時子の帯の結び方が、出掛ける前と違っているところを見て、二人の不倫に気付いた。
戦況が悪化し、板倉の元にも召集令状が来た。
この作品は、タキの回顧録のシーンがメインで、時折、ノートに書いているタキと健史の絡みがある。
この、絡みの部分が多すぎる。
物語に入り込んでいるところを、現実に引き戻されて、興冷めする。
黒木華は、山形の田舎から出てきた純朴な娘を、上手く演じている。