波瑠主演、日本の映画である。
東京生まれで地元を離れたことのない波平久瑠美は、東京の大学を卒業して、一流ホテルチェーンに就職した。
恋人の俊郎と同じ会社に就職できて喜んだのも束の間、熊本に出向することになった。
行き先は、傘下にある遊園地「グリーンランド」 だ。
出勤初日、先輩社員から、波平を「なみへい」 と間違えられ、以来、なみへいと呼ばれる様になる。
新人の波平と吉村は、ドッキリを仕掛けられて、来演している客達にも紹介された。
二人は、事業企画部の小塚慶彦 ( 通称オズの魔法使い ) のもとで、研修を受けることになった。
波平は、新しい企画を出そうと張り切るが、小塚に与えられる仕事はゴミ拾いなどの雑用ばかりだった。
吉村は真面目にゴミを拾い、波平はズルをして仕事を終わらせ、企画書を書いた。
そして、いくつもの企画書を手渡すのだが、小塚は受け取るだけで、新しい雑用を命じた。
ある日、園内でスタッフが怪我をした。
その時、処置をする他のスタッフ達を見て、自分は何もできないことを、波平は悟った。
そんな波平を、小塚が観覧車に誘った。
観覧車の中で波平は、自分がズルをしていることを告白して誤り、自分を卑下することばかり話した。
小塚は、飄々と受け流し、ニコニコしている。
そこに、迷子が発生したとの連絡が入った。
小塚は、テキパキと指令を出す。
波平には、楽しんでいるように見えた。
「険しい顔をしている大人に、子供は近寄ってこないよ。」 と、小塚は微笑む。
地上に降りた二人も、迷子を捜して回った。
波平は、子供が履いていたという青いスニーカーが池に浮いているのを見付けて、飛び込んだ。
その時、迷子が発見されたと、連絡が入った。
波平久瑠美の成長物語である。
小塚慶彦を演じている西島秀俊の笑顔が、素晴らしい。
こういう人が、楽しい遊園地を作っているのだなと、ドキュメンタリーみたいに観ることも出来る。